サッカー界のピックアンドロール論争
こんにちはー。
グロッケンです。
今回は「サッカー界のピックアンドロール論争」なんて銘打ちましたが、そんな大それたものではなくサッカー界で少し注目されてきているピックアンドロール(もしくはスクリーン)というものについて自分の立場から考えようというだけです。
あくまで個人的意見ですので、参考程度に読み流していただけると嬉しいです。
(1)まずピックアンドロールについて知ろう
そもそもそもそも。
事の発端というか、サッカー界で少しですけどもこのピックアンドロールについて注目されるきっかけとなった記事があると僕は思っています。
それが2018年ワールドカップでイングランド代表がコーナーキックで使用したサインプレーを紹介する記事です。
その記事ではサッカー界に他競技から応用された戦術としてピックアンドロールが紹介されていたように記憶しています。
これについてまずバスケについて詳しい方などが思ったのは
「いや、それピックアンドロールじゃないやん!ただのスクリーンやん(笑)」
だと思います。
バスケやフットサルに詳しくない方はそもそもこのピックアンドロールをよく分からんけど人をブロックする戦術?、という風に捉えてしまいがちです。
なのでまずは!魔法の言葉のように曖昧なまま捉えてしまっているピックアンドロールについてしっかりと理解を深めましょう。
そもそもピックアンドロールとは「ピック」と「ロール」なんです。
そこを理解すれば話は単純です。
まず「ピック」。
これがいわゆるスクリーンというやつです。
スクリーンというのは相手の選手に対して味方が進路を妨害することで、その相手選手がもともとマークしていた味方選手がフリーにするという行為のことを指します。
このとき、スクリーンをかける方の選手をスクリーナー。
かけない方の選手、つまりフリーになる選手をユーザーと呼びます。
ピックの方についてはこんな感じです。
ではロールとは??
これはスクリーンをかけた後のアクションについて指します。
具体的には次の図のようにスクリーナー(スクリーンをかけた選手)が、スクリーンをかけた直後に即座に動き直すことでフリーでボールを受けるアクションのことです。
これはバスケ界では割と常識のような話で、これを知らない選手はいないと思います。
取り敢えずピックアンドロールについて理解することはできたでしょうか?
まずはこの理解をすることで議論していくことができます。
ピックアンドロールについては別のブログでも取り上げていますので、興味のある方は是非読んでみてください。
(2)サッカーでピックアンドロールはできる??
さて、ここからが本題です。
サッカーでピックアンドロールは可能なのか?
まずはこちらのツイートをご覧ください。
サッカーではセットプレーでごちゃついてる時以外はスクリーンの距離感でプレーすることがほぼ無いので、スクリーンを"しに行く"になって動きが不自然になってしまうからファールになる。
— シオンコーチ (@shion_coach) 2018年11月3日
サッカーの距離感では「立ってただけですよ」が作りづらい。 https://t.co/3umWKIw2Lz
これはまさにその通りで、サッカーでは簡単にスクリーンをしにいくとファウルになってしまいます。
いわゆる進路妨害というやつです。
バスケではスクリーンがファウルになるかならないかの明確な基準が存在します。
その際に動いているか動いていないかです。(多分)
間違ってたらごめんなさい(笑)。
一方でサッカーでは進路妨害について恐らく明確な基準はなく判断は主審に任せられています。
そのため、ある意味ジャッジは流動的でスクリーンという行為がファウルになるかならないかは審判のジャッジに委ねられることになります。
そして恐らく多くの場合ファウルの判定を受ける可能性があります。
つまり、ピックアンドロールはそもそもサッカーで有効な戦術か否かという以前に、プレーの中で使用できるかできないか問題に直面するわけです。
(3)泣き寝入りはいかんぜよ
サッカーであまりスクリーンを活用した戦術が見られないのは、このファウルを取られる可能性が高いという理由が大きいのではないかと推測しています。
実際冒頭に取り上げた記事も、イングランドのコーナーキックというセットプレーを意識した話でした。
じゃあ流れの中でスクリーンは使えない。
そういう風な流れにならざるを得ません。
いやいや待った!
泣き寝入りはいかんぜよ!(伏線回収)
僕はサッカーでも緻密な駆け引きがどんどん増えていってほしいと願っています。
もちろんダイナミックな部分も魅力的なんですが、どんどん戦術的な部分でも発展していくべきだししていっていると思うんです。
なのでここでどうやればスクリーンを上手く活用できるのか考えていこうと思います。
①セットプレーでの使用
まず1つ目はセットプレーでの使用です。
なんだ結局それかよ、と思うかもしれません。
しかし僕はコーナーキックやフリーキックだけではなく、スローインやゴールキックといった組み立ての段階でもこのスクリーンやピックアンドロールというのが使えると思っています。
特にスローインは、ロングスローでない限り使える範囲は狭いです。
つまり小さなスペースでいかにボールをフリーで受けれるかは大切な要素の一つになってくると思います。
これはまさにスクリーンの活躍できる場ではないでしょうか??
僕はどうしてサッカーのスローインがあんなに適当なのか、正直疑問です。
いや、もしかしたら適当じゃないのかもしれませんしそれなら申し訳ありません。
しかしスローインで簡単に相手にボールを奪われたり、上手く繋げないといった時にもっとチームとして色んな工夫があっても良いんじゃないかなと思うわけです。
そうすればそれを楽しむ人も増えるんじゃないかと勝手に思っています。
スローインでのスクリーン、ピックアンドロール。
サッカー指導者の方は是非一度考えてみてはいかがでしょうか。
②直接身体を当てないスクリーン
は?何言ってんだこいつ?
感が満載ですね(笑)。
僕が紹介したいのはフットサルで俗に言う「カーテン」という戦術です。
いや、戦術というとお堅いイメージがありますがワンツーと同じような2人で織りなすコマンド技だと思ってください。
このカーテンというのは相手に接触することはありません。
つまりファウルを取られる可能性は低いです。
その分相手ディフェンスは対応しやすいのですが、それでもスクリーンと似たような効果を期待できるので十分サッカーで試す価値はあるのではないでしょうか?
具体的にどういうアクションかというと、要は相手の横に入るのがスクリーンなら相手の前、つまりボールホルダーと相手ディフェンスの間に割って入るような形で少し邪魔をするのがこのカーテンです。
フットサルでの動画がありますので興味のある方はご覧ください。
どうでしょうか?
これならサッカーでもファウルは取られにくいのではないでしょうか?
サッカーにはまだまだ無限の可能性があると思っています。
グアルディオラのポジショナルプレー。
クロップのゲーゲンプレス。
サッリのなんか色々。(サッカーには詳しくないのが露呈笑)
とにかく今のサッカー界にはトレンドが存在します。
このカーテンがトレンドにならない可能性は0とは言い切れません。
これを見てるサッカー指導者の方。
カーテンをトレンドとして日本で大流行させてみませんか??(笑)
③オフザボールでのスクリーン
サッカーにはある特性があります。
それは主審が一人しかいないことです。
フットサルは主審と副審の2人でコート内を裁きますが、二人ともほとんどサッカーの主審と似たような役割を持っています。
それに比べてサッカーはかなり審判の目が少ないように感じます。
この特性を活かしてオフザボールでスクリーンをかけよう、というのが僕の3つ目のアイデアです。
これはゴール前ではVARシステムの影響によって少し厳しいかなぁとも感じますが、ゴールに直結しない場所では十分に使えるんじゃないかなとも思います。
特に使えるのがマンツーマン主体のディフェンスをするチームです。
まぁ、そんなチームが存在するのか分からないのですが、マンツーマンであればスクリーンは相手を混乱させるための有効な手段となり得ます。
具体的な部分は創意工夫が必要かと思いますが、このオフザボールのスクリーンも是非一度頭の中で考えを巡らせてみてはいかがでしょつか?
(4)まとめ
と、そんなこんなで色々と話してきましたが僕が言いたいことはただ一つです。
もっと色んな工夫をしてほしい!
やっぱりおもんなくないですか?
他の所と同じようなことやってるのって。
見るのもやるのも。
もっともっと色んな創意工夫に溢れたサッカーが僕は見たいです。
このピックアンドロール論争ってのは別に大した結論もクソもないと思います。
そもそも僕が勝手にピックアンドロール論争!!とか言って騒いでるだけで皆さんはそもそも論争とすら思ってないと思うんですが(笑)。
でも是非これを機会にスクリーン、使ってみようかな?って思うチームが増えてくれると嬉しいなと思います。
さっきも言いましたが同じようなサッカーばっかり見ているとつまらなくないですか?
おもんなくないですか?
いやいやまだ基礎すらできてないし。
まずはどのチームもやってることができてからでしょ。
言いたい事は分かります。
でもそれいつまで言うんですか?
中学まで?高校まで?大学まで?社会人まで?
4-4-2のゾーンディフェンスをして、オフェンスは取り敢えず適当に頑張る。
そんなイメージが勝手に僕の中にはあります。(本当にただのイメージです。違ったらごめんなさい)
僕は多様性っていうのは選手のレベルアップにも通じると勝手に思っています。
ずっと同じ教科書で勉強するよりも、たまには問題集をやったり資料集を見たり、もしかしたら漫画で勉強なんてこともあるかもしれません。
そういう色んな経験が糧になることってあると思うんです。
突飛なことをしても意味がないと思われる方。
僕は無難なことをし続ける方が意味がないと思います。
是非これを機会にサッカーでのスクリーン及びピックアンドロールの活用法について考えてみていただけるとこの記事を書いた僕も喜びます。
是非よろしくお願いします!(笑)
なんか最後の方は指導者向けみたいになってしまいましたね(笑)。
とにかくもっともっとサッカーについて色んな切り口ができていくと嬉しいなと思っているわけです。
是非これからも色んな意見を交換していきましょう!
今日はこの辺で!
さよなら〜( ´Д`)y━・~~